ボディーコーティング

ボディーコーティングの嘘・本当。

巷に溢れるボディーコーティングの嘘、本当を検証します。ボディーコーティングには大きく分類して、最近流行のガラスコーティング・昔からあるポリマーコーティング・ディーラーではペイントシーラントと呼ばれているものがあります。まずポリマーコーティングですが、主成分がフッ素樹脂・アクリル樹脂と色々あるコーティング液剤を総称してポリマー(高分子)と呼んでいるようです。その中でも代表的なフッ素コーティング・デーィラーではペイントシーラントと呼ばれているものも、このフッ素樹脂を主な成分としているようです。フッ素と聞けば一般の方は、フライパン等に施されているフッ素加工を思い浮かべるのではないでしょうか?あのフライパンに加工されている強靭で、汚れを寄せ付けない加工を車のボディーに施すのだから、凄いものだとお考えの方が多いのではないでしょうか?しかし実際は、フライパンに施されているような加工を車のボディーに加工する事は出来ないのです。フライパンのフッ素加工の方法は、四フッ化エチレン樹脂(フッ素樹脂にも色々種類があります)をフライパンに吹きつけ塗装をした後、高温に耐える炉の中で400℃前後の温度で長時間焼成して出来上がるものです。車にも大掛かりな機械と莫大な費用をかければ加工できるのかも知れませんが、現実的には難しいでしょう。ただ単にフッ素樹脂を電動ポりッシャーや手塗りでボディーに塗りこむような加工程度では、フライパンのフッ素加工のような強靭な皮膜が出来るわけが無いのです。

フライパンのフッ素加工は別として、フッ素を車のボディーに定着させるために必要な最低温度は160℃を必要とします、しかも長時間。電動ポリッシャーの回転熱・遠赤外線ヒーターをあてる等をしても160℃以上もの温度をフッ素樹脂を塗りこんだ車のボディーに与え続ける事は、不可能に近いのです。出来たとしてもバンパーやモール・車内の樹脂部品が溶けてしまうでしょうし、塗装自体が160℃以上の温度に長時間耐えられるのかどうか疑問です。勿論、電動ポリッシャーや遠赤外線ヒーターで与える熱により、ある程度のフッ素樹脂の定着を期待できるでしょうが、手塗り加工のみで仕上げてしまう業者(多くのディーラーはこの方法)では、全く温度を与えずに加工しています、このような加工で果たして1年以上、業者によっては3年以上の耐久性があると謳っていますが、はなはだ疑わしい限りです。それだけ長期間にわたり、コーティング皮膜が定着し続ける根拠を知りたいものです。

当社では、社用車および社員の自家用車にフッ素コーティングを加工し、実際にどれ位の耐久性があるかテストしましたところ、車の保管状況が屋内で、洗車等の手入れが行き届いていて(手入れの良し悪しで、コーティングの耐久性が、なぜ変わるのか後で説明します)、車の使用頻度が少ない場合(週に2〜3回程度の使用)で8ヶ月〜10ヶ月。 屋外保管であまり手入れをせず、ほぼ毎日使用する場合ですと4ヶ月〜6ヶ月位の耐久性しか無い事が、判りました。これはあくまで当社がテストした結果ですから、車の使用状況により多少の違いは出てくると思いますが、2〜3年の耐久性があると謳っている業者・業界には疑いの念を感じざるおえません。

新車購入時にポリマーコーティングを施工した1〜2年後に、車をぶつけて、ドアやフェンダーを板金塗装修理をしたから、その修理部分のみを再コーティングをして欲しいとの依頼を受けることがありますが、再コーティングをする部分以外の塗装を確認してみますと、全くコーティング皮膜が残っている状況ではなく、修理部分のみを再コーティングするだけではあまり意味がないのにと思うことがよくあります。コーティング皮膜は目に見えるものではありませんから、一般ユーザーはコーティング皮膜が残っているかどうか判別できないので、施工業者の言葉をそのまま信じている方が多く、だから今でもポリマーコーティングが2〜3年もの耐久性があると信じられ、まかり通っているのではないでしょうか?

もう一点疑問に感じる事が、施工終了時にユーザーに渡されるメンテナンス剤です。当社でも施工終了時に取れない汚れが発生した場合にだけ、その部分の汚れを取り除く為のみに、ご使用下さいと説明して、お渡ししておりますが、業者の中には、1〜3ヶ月毎に1度、定期的にボディー全体に塗りこんで下さいとユーザーに説明し、メンテナンス剤を渡している業者がいるようです、しかし、これはユーザーにワックス掛けをさせている様なもので、コーティングの良さであるメンテナンスフリー(ワックス掛けが必要ない)というメリットが、全くありません。ユーザーが定期的にワックス掛けをしてくれているのですから、それで2〜3年の耐久性があると謳えるのかもしれません。何か、まやかしのような気がしてなりません。

次に、ここ最近に登場したガラスボディーコーティング(これもポリマーコーティングの一種)ですが、現在、様々な種類のガラスコーティング液剤が、業者向けに販売されています。種類は沢山ありますが、実際は製造しているメーカーはあまり多くないと思います。販売業者が多くあるだけで、中身は同じで、名称だけ変えて販売しているというケースが、多いのではないでしょうか?当社でも数年前からガラスコーティングを導入していますが、導入にあたり、色々なメーカー(販売店)から液剤サンプルを取り寄せ、テストしました。コーティング皮膜は、車のボディーに塗りこんでしまえば、皮膜を目で確認することは困難になります。艶がでた等で、ある程度は判断できても、本当にガラス状の皮膜が出来ているのかまでは判断できません。多くの業者は、液剤メーカー・販売店のセールストークをそのまま信じ、本当にガラス状の皮膜が出来ているかどうかまでは、テストせずに導入施工している業者が多いのではないでしょうか?

当社では、以下の画像の様に、皮膜を見えやすくするため濃い目の色のアクリル板にマスキングテープで囲いを作り、その中に液剤を5回程度塗り重ね、乾燥さた後、マスキングテープを剥がし、コーティングした所としていない所の境目に、目で見て判るほどの皮膜が出来ているか、また出来ている場合、その皮膜がウエス等でふき取るように擦っても取れないかどうかをテストしました。本当のガラスコーティング液剤であれば、重ね塗りをすることで膜厚があがり、5回もコーティングすれば、目で見て判る程の段差が、マスキングテープで仕切った境目に出来上がります。そして、強靭な皮膜であるはずのガラスコーティング皮膜が、ウエスで擦り取るようなことぐらいで、消えてなくなることは、ありえないのです。

マスキングテープで囲いを作り、その中に液剤を5回程度塗り重ねます。
乾燥さた後、マスキングテープを剥がします。
マスキングテープで仕切った境い目にガラスコーティング皮膜が、出来ているのが目で見て確認できます。
 

最初の思惑通り、多くのメーカーの液剤が、重ね塗りをしても膜厚がでなく(皮膜ができない)、マスキングテープで仕切った境い目に艶の差ができ、かろうじて皮膜の判別は出来ますが、その部分をウエスで拭き取れば、跡形も無く消えてなくなりました。このようなガラスコーティング液剤をコーティングしても、長期間の耐久性があるわけがありません。いかに名ばかりのガラスコーティング液剤が、多く存在するのだと、変な意味で関心させられてしまいました。

 
 
数あるガラスコーティング液剤の中で、当社が採用したものは、ペルヒドロポリシザランを主原料とし、有機溶媒・微量の触媒から構成され、炭素などの有機成分を含まない無機ポリマーです。施工後、約二週間で空気中の水分・、酸素と反応しシリカ(ガラス)へ転化していく特長を持った液剤です。この液剤は上記画像のテストでも、しっかり目で見て判る皮膜を形成し、ウエスで拭き取ろうとしても、びくともしませんでした。これだけの皮膜であれば、長期の耐久性があると判断し、採用しました。フッ素ポリマーと同じように実車でテストした結果、フッ素ポリマーより3〜4倍の耐久性がある事が判りました。
 
一般ユーザーは、ガラスコーティングと聞いて、車のボディーに建材ガラスや、フロントガラスのような本当のガラス皮膜が出来ると思っておられる方が、多いのではないでしょうか?もしそのような皮膜ができたとしても、そのような硬い皮膜であれば、車の振動、熱によりボディー(鉄板)が膨張と収縮を繰り返すことで、その皮膜は、ヒビ割れてきます。ある程度の柔軟性を持った皮膜でなければ、ボディーに定着もしません。実際の皮膜は、車のボディーに塗装されているクリア塗料のような樹脂皮膜と思っていただくのが、一番近いと思います。
 
ガラスコーティングは、フッ素コーティングの数倍の耐久性をもっていますが、万能と言うわけではありません。誇大広告的に言う業者が多いので、間違った知識をお持ちのユーザーが多い様に、思います。ガラスコーティングをしていてもボディーに鉄粉は付着しますし、鳥の糞が付着して長時間そのままにしておけば、糞が腐敗するときに発生する酸でコーティング皮膜、酷い場合、塗装 にまで侵食します。また、ウォータースポットも付着し難いというだけで、全くは発生しないと言うわけではありません。何もしなくても10〜30年以上の耐久性のある車のボディーの塗装(塗料)でさえ、上記のような状況に、耐えることが出来ないのに、せいぜいもって2〜3年のガラスコーティングが、耐え切れると言うのもおかしな話だと思われませんか?
 
また、コーティングをしておけば、何も手入れしなくて良いと思われるユーザーがおられますが、勿論ワックスを掛ける手間は必要ありませんが、洗車だけは、こまめにされることをお奨めします。洗車をあまりされず、長期間ボディーに汚れ・油分が付着した状態にしておきますと、太陽光の熱(特に夏季)や、エンジンの熱(ボンネット)で、汚れ・油分が固着してしまいます。コーティングをしていることで、かなりの部分、汚れ・油分の固着を防ぐことが出来ますが、コーティングをしていても完全に汚れ・油分の固着を防ぐことは出来ませんので、それが洗車の回数が少ないことで、どんどん蓄積していきます。ホイールのブレーキダストが洗車しても、なかなか落ちないことを経験された方も多いと思いますが、これもブレーキをかけたときに発生する熱が、ブレーキダストを固着して取れなくなる原因の一つを作っています。いったん汚れががボディーに固着しますと、汚れが汚れをよんで、更に汚れが付着しやすくなる悪循環に陥ります。そして、コーティング皮膜の上にできた固着した汚れの層は、洗車した程度では、取れなくなります。いくら良いコーティングをしていても、コーティングの層の上に汚れの層が、固着していれば、雨が降ってもボディーは、撥水も親水もしなくなりますので、結局、コーティングの寿命を縮めたのと同じ事になってしまいます。プロに固着した汚れの部分の除去を依頼しても、コンパウンドで磨いて除去する事になるでしょうし、そのとき、コーティング皮膜が残っていても、汚れの層と一著に取り去ってしまう可能性が高くなります。一からコーティングのやり直しと言うことになりかねません。
 

最後に

 
今まで、コーティングにおいて、誤解されているのではないかという部分を説明させてさせて頂いてきましたが、このホームページが、この業界に携わる者として、あまりに情報が氾濫し、いったい何を信じたら良いのかと思われている一般ユーザーの為に、プロの立場から、少しでも正しくコーティングを理解していただく、一助になれば幸いです。
 

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